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小さなことからコツコツと

LAP(鏡面仕上)の本当の目的知ってる?

2026-06-23

ーLAP(鏡面加工)の本当の目的を知っていますか?ー



こんにちは、スタッフの矢野です。

いよいよ本格的な夏にむかって暑さがやってきそうな今日この頃。

いかがお過ごしでしょうか?

さて、今回は久々の技術ぶろぐ。



早速ですが、今回は取り上げるのは鍛造金型の製作において欠かせないもののひとつ、



LAP処理(鏡面加工
)です。



金型業界にいる方なら、ご存知の通り「摩擦を減らすための加工ですよね」と答えるでしょう。



もちろん、大正解です。



LAP処理によって金型表面の凹凸を小さくし、加工材との摩擦抵抗を減らす。これによってカジリや擦り傷を抑え、成形性を向上させる。

これは誰もが知っているLAP処理の役割です。



ちなみに面粗度でいえば、一般的な鍛造金型ではRa0.20以下程度がひとつの基準になります。

Raとは表面の凹凸の平均値を数値化したもの。

数値が小さいほど表面は滑らかになっている。

LAP処理とは、この数値を如何に減らして、金型表面を滑らかにするためのものだ。



ここまでは教科書通りの話。



実は、LAP処理にはもっと重要な役割があります。



意外と意識されていないことですが、鍛造金型において本当に重要なのは「凸を消すこと」ではありません。



「凹を無くすこと」です。




多くの人はLAP処理というと、切削目の山を削り取って表面をピカピカにするイメージを持っています。



確かに山(凸)がなくなれば、谷(凹)との差がなくなり、表面の引っ掛かりは減ります。


しかし、谷(凹)が残ったままだとどうでしょうか?



例えば切削目の谷、言い換えれば鋭角な溝ですー



その溝に成形時の大きな荷重が集中すると、応力はそこへ集まり続けます。



そして最終的には、その溝を起点として割れや欠けが発生します。

鍛造加工は、金属同士が圧縮や圧延、引っ張られるなど非常に激しく過酷な加工環境です。



だからこそ表面に残ったわずかな”溝”というのは、金型寿命を大きく左右することがあります。



見た目は綺麗に見えても、ツールマークが残っていたり、LAP目が波打っている、
縞模様が浮き出ている金型などよく見かけます。


表面は滑らかにみえて光っているのに、内部的には応力集中の原因が残っている。

そんな状態です。




私たちがLAP処理を見るとき、実は「どれだけ光っているか」はあまり重要ではありません。

本当に見ているのは、



「危険な谷が残っていないか」

ということ。





鍛造金型におけるLAP処理の目的は、単なる鏡面仕上げではありません。


高荷重の成形時に発生する折損や割れを防ぎ、金型を長く安定して使える状態にすること。


そのために凹凸を極限まで整えることです。






表面をピカピカにすることと、金型を長持ちさせること。

似ているようで、実はまったく違う話なのです。




LAP処理は一見、単純な仕上げ工程に見えてしまいます。

しかし、その奥には金型寿命を左右する非常に深い技術が隠されています。

もし金型の仕上げ状態を見る機会があれば、

ぜひ「光沢」だけでなく「溝が残っていないか」という視点でも観察してみてください。

きっと今までとは違った見え方になるはずです。



以上 
スタッフの矢野でした。
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