スチール材へのTiCコーティングは・・・・
こんにちは! 中央ダイス スタッフの矢野です。
台風10号、いつまで続くんでしょうかね・・・・(汗
今回も被害が広がっていて……早く収まってほしいものですが。
さて、先日金型へのコーティングでPVD処理は当たり前になってきてるよね~~という話題をしました。
では今回はTiCコーティング、いわゆるCVD処理のコーティングはどうなのか?というお話です。
結論からいえば”要求精度・用途によっては使用される”というのが正しいのかなと。
CVD-TiC処理の特徴として、処理温度がPVDと比べて圧倒的に高いということあげられる。
先日ぼくのFacebookでもあげたんですが、PVDの処理温度帯って大体500℃近辺といわれてます。
対してCVD処理温度帯は900~1000℃。
これ、鍛造金型に使われるSLDやSKD材、SKH材などのズブ焼きや真空焼入れの温度帯を超えているんだよね。
ということは、既に熱処理後に仕上げた品物では硬度変異、熱歪みが発生して精度管理どころではない。
0.01mmを要求される品物に0.03~0.10mm台の熱膨張、歪みが出てしまっては売り物にならない...
(いまはある程度コントロールしてもらえているのでそこまでひどくないけど.......)
例えば、当社で扱うスプラインパンチ。
材質は概ねスチール材を選定され、スプライン諸元では大径や小径の製作公差±0.01や±0.005を求められることが多いのですが
結構な割合でお客様からTiC処理を指示されます。
え、マジか.........(汗
でもその場合はほとんど、用途と本来必要な精度を伺ったうえで必要ならばPVD処理に切り替えてもらいます。
金型製作側からするとCVD-TiC処理するというのは再度高温熱処理をするのと同義。
コントロールの難しい処理を最終工程にするのはデメリットでしかない。
つまりスチール材の精度ものにはCVD-TiCは非常に利用しにくい面があるということだ。
ところが!デメリットだけではない!
CVD-TiC処理最強!!ってのもあるんです。
次回はそこも掘り下げてお伝えしたと思いますので。
実はいいんですよ。TiCってw
一覧に戻る